口調、あるいは話法についての内省

 大学入学以後しか知らない人からすれば意外かもしれないが、在阪時代の私はわりあい無口な方だった。人の話を一方的に聞いて端的なコメントを出すくらいのことはしたし、あるいは内輪ではそれなりに喋ったかもしれないが、いろんな人と会話を楽しんだ記憶はあまりない。

 

 

 そんな感じだったが、しがらみのない土地での再スタートというのもわざわざ東京まで出てきた理由の一つだったし、大学入学後の数ヶ月間で話法について独自研究をして、かなり意図的にコミュニケーション能力を構築したきらいがある。

 

 

 不思議なことに、ある程度だれとでも喋れるようになると、大阪弁も喋ることができるようになった。関西にいた頃はあまり得意ではなく、ほとんど標準語で話していたのである。

 

 

 さて、ところでどうしてこんな話をしているのかというと、この一年ほどオンライン生活で人との会話量が明らかに減った。一方で、Zoomを使うと、他人に向けて話している実感がないと同時に、自分の喋っている様子がつねに画面に表示される。口調や話法について見つめなおす契機になったように思う。

 


 他にも気づいた点がいくつかある。どうやら自分は会話において、他の人に比べて特に倒置法を多用するようである。また、一文を言い切って終わらず、次の文章の頭の接続詞まで言ってから息を継ぐ癖がある。話の途中で人に遮られるのが嫌いだからだ。



 検証していないのでわからないが、この傾向はオンライン化してからさらに強まったのではないかと思っている。こうした話法はZoom会議では有効だが、clubhouseにはそぐわないようなので、他にやり方を考えないといけない。